「通州事件」のユネスコ登録を目指し活動
文部科学大臣に要望書を提出

http://www.tsukurukai.com/News/index.html#271211news
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新しい歴史教科書をつくる会は、12月11日に文部科学省で記者会見を行い、「通州事件」をユネスコの記憶遺産に他団体と連名で登録申請する予定であることを発表しました。
記者会見には、石原隆夫、岡野俊昭、皿木善久、藤岡信勝の4副会長が出席し、「通州事件」が国内外で認知されることの重要性・意義に鑑み、日本政府が既に決定している2件のユネスコ申請を変更してでも対応すべき案件である旨を訴えました。
その後、文科省内のユネスコ関係の担当部署を訪れ、下の要望書を提出しました。
今後は、申請と登録実現に向けて諸団体と連携し、各種調査や資料の準備、各所への働きかけなどの取組みを行ってまいります。
平成27年12月11日
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文部科学大臣 馳 浩 殿
新しい歴史教科書をつくる会 会長 高池 勝彦

「通州事件」をユネスコ記憶遺産に登録申請するにあたっての声明と要望

新しい歴史教科書をつくる会は、志を共有する諸団体との連名で、「通州事件」をユネスコ記憶遺産に登録申請いたします。締切は来年3月で、登録の可否の決定は2017年(平成29年)10月です。以下、この申請の背景と意義を説明させていただきます。

【1】「通州事件」とは、1937年(昭和12年)7月29日、北京東方の通州で日本人居留民が、暴徒と化した中国人の保安隊兵士に襲撃され、残虐非道に惨殺された事件です。当会が歴史教科書改善のために推進する自由社の中学校用『新版 新しい歴史教科書』では、「日中戦争」の単元の中で、本文への注記として次のように書かれています。
【北京東方の通州には親日政権がつくられていたが、7月29日、日本の駐屯軍不在の間に、その政権の中国人部隊は、日本人居住区を襲い、日本人居留民385人のうち子供や女性を含む223人が惨殺された(通州事件)。】(233ページ)

簡単な抑えた記述ですが、小中高の歴史教科書の中で、通州事件を載せた教科書はこの自由社版が唯一です。その意義は大きく、日本政府は教科書検定を経た日本の歴史教科書に記載されている以上、事件の存在を否定することはできません。

この事件は、当時現地にいたアメリカ人のジャーナリストが「古代から現代までを見渡して最悪の集団屠殺[虐殺]として歴史に残るだろう」(ウイリアムズ『中国の戦争宣伝の内幕』)と書いたほど、残虐で猟奇的な出来事でした。東京裁判でも、惨劇の状況を検分した日本の軍人の目撃証言が証拠として受理され、惨劇の状況が記録されています。

しかし、戦後の日本は6年半余りという長期にわたりアメリカの占領下にあり、この間厳重な検閲が布かれ、他の連合国への批判と同様に中国への批判も一切禁止されました。この言語空間が今日に至るまで長く言論・学術の世界を支配し、事件当時日本のほとんどの新聞社が号外を出し、国民的憤激を巻き起こした大事件であったにも関わらず、近現代史の最も詳細を極めた歴史年表にさえ、通州事件について一切記述がない、という状況が長く続きました。未だ通州事件の名を冠した一冊の啓蒙書も出版されていません。
ところが、今や、事件について忘却状態にある現状を意識的に変えなければならない状況が生まれました。

【2】平成27年10月、ユネスコの記憶遺産として中国が提出した「南京大虐殺文書」が登録されました。「南京大虐殺」については、過去十数年の日本国内の研究によって軍の方針や命令による組織的な市民の殺害はなかったことが実証されています。この事件そのものが、中国国民党の蒋介石政権によって戦時プロパガンダとして捏造されたものです。ひとことで言えば、「南京戦はあったが、『南京虐殺』はなかった」のです。

今回中国側が提出した資料を見ても、日本による大虐殺を証明する資料価値はゼロであり、それどころか、逆に虐殺がなかったことを示す資料となっています。

そもそも、日本人がやったこととして日本告発のために捏造された資料は、中国人自身が行った行為を日本人になすりつけたものです。大殺戮は中国の長い歴史の中で何度となく繰り返され、中国大陸の歴史を特徴づけるものとなっています。近代において日本人が中国大陸と関わるようになってから、日本人はしばしば徒党を組んだ中国人の残虐行為の被害者だったのであり、この度通州事件を取り上げるのは、通州事件がそれら一連の事件の代表見本であるからに他なりません。
さらに中国は、日本のみならず、チベット、ウイグル、モンゴルなど周辺諸民族に対して、凶暴な暴力の牙をむくことがしばしばありました。モンゴル出身のある研究者は、中国の行為は中国政府が署名した1948年の「ジェノサイド条約」に違反しており、チベット、ウイグル、モンゴル、及び自国民に対する文化大革命時の虐殺についても記憶遺産に登録すべきだと提言しています。(楊海英「Newsweek」 2015.11.27)

私たちの今回の行動は、上記のような良識あるアジアの人々の声に応えるものでもあります。通州事件の残虐行為から日本人が目を背けないで正しく知っておくことは、単に日本人が過去に経験した犠牲を記憶するだけではなく、同じ苦難と犠牲を今も現在進行形で味わい続けているアジアの諸民族の苦境を理解し、それを打破するための行動に連帯するためでもあります。
さらに、中国によって受けた過去の被害を知ることは、日本の今後の移民政策によってもたらされるかも知れない事態を予測し、警鐘を鳴らすことにもつながります。例えば、500万人規模の中国人が日本に移住すれば、重大な事態が起こらないともかぎりません。日本国内の中国人は、国防動員法によって、一旦緩急あるときは自国のために戦うことが義務づけられています。通州事件を知ることは、日本自身の近い将来の考えられる危険への対処と無関係ではありません。

【3】文科省は来年の3月を期限とする次期の登録申請テーマとして、「杉原千畝」と「下野三碑」を9月段階で決めたとされています。しかし、ユネスコの記憶遺産制度は、政府のみならず、民間団体や個人にも申請資格を認め、申請を歓迎しています。従って、私たちは、直接、パリのユネスコ本部事務局に「通州事件」を申請します。そして、申請と同時に英訳した資料一式をネット上に公表します。
そこで、この際、私たちは政府=文科省に対し、ユネスコ記憶遺産への対応に関わって、次のことを強く要望し、申し入れます。

①中国による「南京」登録は、国際機関を利用し戦時プロパガンダを史実として認めさせようとする中国政府の謀略であり、提出された資料も南京大虐殺をむしろ否定するものであり、手続きにも瑕疵があるため、これを再審議し撤回するようユネスコに働きかけていただきたい。その際、負担金の停止または減額の措置を含めて対応していただきたい。

②ユネスコの記憶遺産事業は、法的整備も不十分で、一部の国によるやりたい放題の横暴がまかり通る現状がある。これを是正する改革案を、すでに公表されている民間の改革案も参考にして考えていただきたい。それはユネスコへの最大の分担金支払い国である日本の国家としての責任でもある。

③来年3月の締切時にユネスコから1国2件の範囲に絞るように求められるはずであるが、民間からの発意を生かして私たちの「通州事件」を申請枠に含めるよう、是非善処していただきたい。

以上のことを、文科大臣並びに関係当局に要望いたします。

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いよいよ今週日曜日開催!
ユネスコ「南京」登録に反撃する国際シンポジウム

■日時 12月13日(日)18時30分開会(18時開場)
■場所 東京・牛込箪笥区民ホール (地下鉄大江戸線「牛込神楽坂」1分)
■参加費 1000円(資料代として)
登壇者決定!
○第1部 リレートーク
山田宏(前杉並区長・前衆議院議員)、阿羅健一(南京事件研究家)
菅家一比古(美し国代表)、白石千尋(国際機関職員)
石 平(評論家)、藤田裕行(ジャーナリスト)
三浦小太郎(ジャーナリスト)、茂木弘道(世界に史実を発信する会事務局長)
山本優美子(なでしこアクション代表)

○第2部 国際シンポジウム
ペマ・ギャルポ(チベット)アジア自由民主連帯協議会会長
オルホノド・ダイチン(南モンゴル)南モンゴル自由民主運動基金代表
黄  文雄(台湾)    評論家
西村 幸祐(日本)    批評家・ジャーナリスト
藤岡 信勝(日本・司会) 「南京の真実」国民運動副代表
<主催>(共催)
南京の真実国民運動(代表:渡部昇一)/慰安婦の真実国民運動(代表:加瀬英明)
<事務局・お問い合わせ先>一般社団法人新しい歴史教科書をつくる会