私の情報源でもある宮崎正弘の国際情勢解題というメールマガジンがあります。

その書評コーナーで取り上げられていた書籍が「ウイグル・ジェノサイド」

在日ウイグル人が明かす ウイグル・ジェノサイド ―東トルキスタンの真実

在日ウイグル人が明かす ウイグル・ジェノサイド ―東トルキスタンの真実

ムカイダイス
1,232円(04/19 15:02時点)
発売日: 2021/03/26
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著者のムカイダイス女史は、『万葉集』のウイグル語の翻訳者であるばかりか、関岡英之氏の『防共回廊』をウイグル語に翻訳した知識人とのこと。

この書評を読んで初めて知ったが、
西側諸国における『ジェノサイド』という意味は「ナチス」の蛮行と同義語であること。

中国によるウイグル自治区に於ける蛮行を『ジェノサイド』と西側諸国が避難決議した。
ところが日本政府は、未だに認めていない

「ウイグル人にとって『新彊ウイグル自治区』は、
ウイグル人が平和のために戦争を放棄した結果、中国共産党に騙された結果、母なる祖国のために犠牲をはらうことを怠った結果なのである」。

 

西側は中国ウイグル自治区に於ける虐殺蛮行を『ジェノサイド』と非難
ユニクロの不買運動如きを怖れ、中国非難の列に入らない臆病者がいる


ムカイダイス著『ウイグル・ジェノサイド』(ハート出版)
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いま、西側世界が中国に突きつけた破邪顕正の刃はウイグルにおける「ジェノサイド」非難決議である。

トランプ政権終盤にポンペオ国務長官が言明し、中国とズブズブのバイデン政権でも、ブリンケン国務長官は、『ジェノサイド』非難を踏襲すると言明した。

カナダ国会も議決した。トルードー首相は棄権するという際どい演技を見せたが、あの弱腰リベラルのくに、カナダさえ、中国にジェノサイドと言ったのだ。

ところが日本政府はまた認めていない。

日本政府は北京と財界の顔色を伺い、政権与党、その連立相手は腰砕けである。中国を激しく非難しているのが日本共産党という矛盾した政治構造になっている。

西側が立ち上がって中国のウイグル自治区に於ける蛮行を『ジェノサイド』と非難しているときに、ユニクロの不買運動如きを怖れ、中国非難の列に入らない臆病者がいる。

しかし問題は、日本人の感覚を超えて深刻なのである。

つまり西側世界に於けるジェノサイドという意味は「ナチス」の蛮行と同義語であること。

この非難の合唱に加わらない日本は、ジェノサイド同調組に識別され、中国と並列で非難されることになるのである。こんな国際感覚が、永田町の政治家にないというのは、悲惨である。

本書でもっとも重要な訴えは下記の数行である。

「ウイグル人にとって『新彊ウイグル自治区』は、ウイグル人が平和のために戦争を放棄した結果、中国共産党に騙された結果、母なる祖国のために犠牲をはらうことを怠って結果なのである」。

まさに明日の日本の危機を、これほど直截に比喩した言葉はないだろう。戦いを放棄した結果、中国の植民地に陥落してしまったのだと訴えているのだ。
言葉を奪われ、宗教を奪われ、資源と食糧を奪われ、核実験場に利用され、虐待され、搾取されつづけるウイグルは、中国が侵略したのである。

それまでには歴とした「東トルキスタン」という国だった。中国の植民地に成り下がってしまったが、ウイグルの民は自尊心を失わず、正義の訴えを国際世論へ投げかけている。

なお著者のムカイダイス女史は、『万葉集』のウイグル語の翻訳者であるばかりか、関岡英之氏の『防共回廊』をウイグル語に翻訳した知識人であり、本書には関岡氏への哀悼がこんこんと述べられていて涙を誘う。

関岡英之の名書『帝国陸軍 知られざる地政学戦略 見果てぬ「防共回廊」 (祥伝社新書)』を併せてお読みいただきたい。

拙評は下記に。
http://miyazaki.xii.jp/column/index.html
(このページの30番のコラムです)

在日ウイグル人が明かす ウイグル・ジェノサイド ―東トルキスタンの真実

在日ウイグル人が明かす ウイグル・ジェノサイド ―東トルキスタンの真実

ムカイダイス
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